
学習意欲を最大化する、エデュケーショナル・デザインの再構築
本プロジェクトは、かつて多言語教育の先駆者として国内最大級のネットワークを誇った「株式会社ジオス(GEOS Corporation)」 の学習教材、GEOS work book “KEY GRAMMAR 30” のトータルデザインです。 1973年に徳島で産声を上げた英会話教室「アンビック」を源流とし 、現在はNOVAホールディングスへと事業継承されている同社の歴史の中で 、本教材は中学生向け英文法の基盤を固める重要な役割を担っていました。 私が担当したのは、タイトルロゴデザインからブックレット全体の構成、エディトリアルデザイン、そしてプリントメディアとしての最終的な品質管理に至る全工程です。 単なる「情報の整理」に留まらず、学習者が自発的にページをめくりたくなるような視覚体験をいかに構築するか。教育という文脈においてデザインが果たすべき役割を深く追求しました。機能性と親しみやすさを両立させる「思考の根拠」
教材のデザインにおいて最も重要なのは、学習の心理的障壁を下げることと、情報の重要度を瞬時に判別できる階層構造(Visual Hierarchy)の確立です。 本ワークブックでは、対象読者である中学生の視点を重視し、厳格なタイポグラフィのルールと、遊び心のあるビジュアル要素を融合させるアプローチを採りました。- 情報の優先順位を明確化するタイポグラフィと配色: タイトルである「KEY GRAMMAR 30」には、可読性が高く力強いモダン・サンズセリフを採用しました 。特に「30」という数字を大きく強調することで、学習範囲の明確なゴールを視覚的に提示しています。また、目に負担をかけにくい特定のグリーンをキーカラーとして設定し、重要なポイントを際立たせるための視覚的アクセントとして機能させています。
- 学習者のモチベーションを維持するキャラクター配置と余白設計: ページを開いた際の「難しそう」という印象を払拭するため、独自のキャラクターイラストをアイキャッチとして活用しました 。一方で、書き込みやすさを考慮した十分なホワイトスペース(余白)を確保。情報の密度をコントロールすることで、一つひとつの文法事項に集中できるエディトリアルデザインを実現し、学習のストレスを最小限に抑えています。
- シリーズとしての整合性を保つロゴ・ブランディング: 「GEOS」というブランドが持つ信頼感を維持しつつ、ワークブックとしての独自性を打ち出すために、表紙のレイアウトには厳密なグリッドシステムを導入しました。これにより、シリーズ展開時にもブランドのアイデンティティが損なわれることなく、一目で「ジオスの教材」であることを認識させる一貫性を生み出しています。
- 学習効率を支えるプリントメディアとしての品質追求: 教室での使用や自宅学習、さらにはCD付きというパッケージ形態に合わせ、耐久性と開きやすさを考慮した仕様を策定しました 。反射を抑えた紙質の選定や、インクの視認性に至るまでディレクションを行い、長期間の学習に耐えうる実用的なプロダクトとしての完成度を高めています。
教育の未来をデザインでサポートする
GEOS work book “KEY GRAMMAR 30” の制作は、ブランドが培ってきた教育メソッドを、いかに現代的かつ効率的な「形」に変換するかという挑戦でした。 タイトルロゴデザイン、ブランディング、エディトリアルデザイン、そしてプリントメディアという多角的なアプローチを用いることで、単なるワークブックを「学習体験のインターフェース」へと昇華させることができたと考えています。 デザインの「なぜ(思考の根拠)」を積み重ねることは、結果として学習者の成果へと繋がります。 本プロジェクトで得た、複雑な情報を整理しつつ情緒的な価値を付加する経験は、現在のMARZ DESIGNにおけるあらゆるブランディング戦略の礎となっています。 今後も、機能美と体験価値が共存するクリエイティブを提供し続けてまいります。■ 本WEBサイトに掲載されている、会社名、商品名、サービス名、ブランド名、ロゴマーク、サービスマーク、スローガン、キャッチコピー等の著作権・商標権は、各権利所有者に帰属します。■ 本コンテンツは、著者の制作実績およびスキルの紹介を目的として掲載しており、権利を侵害する意図はございません。■ 制作実績のうち、直接取引以外の案件につきましては、広告代理店、コンサルティング会社、制作会社等のパートナー企業様との提携、あるいは仲介による制作実績となります。■ 本ポートフォリオへの掲載に問題がある場合は、お手数ですがお問い合わせフォームよりご連絡ください。迅速に対応をさせていただきます。