コーポレートカラーのオレンジを背景に、左側にアレンジメントフラワーの写真を配したWebトップ画面
コーポレートカラーのオレンジを背景に、左側にアレンジメントフラワーの写真を配したWebトップ画面
鮮やかなオレンジ背景に整然とした文字を配置したお客様の声を掲載した画面
オレンジ背景にアイコニックな花のグラフィックを配した、1995年当時のWeb画面

インターネット黎明期におけるデジタルブランディングの実践「Rumours website 1995」

Windows 95の発売を機に、国内でインターネットが一般社会へ普及し始めた1995年。 当時、WEBサイト(ホームページ)を持つ企業や店舗は極めて稀であり、その多くがテキスト中心の簡易な情報発信に留まっていました。 本プロジェクト「Rumours website 1995」は、東京・恵比寿の地で洗練された生花装飾を展開する老舗生花店「有限会社ルーモアズ(Rumours)」の気品ある世界観をデジタル空間へいち早く移植した、国内最初期の店舗型WEBサイトのブランディング、UI/UXデザイン、およびWEBサイト構築の事例です。 本プロジェクトのミッションは、単に店舗の所在地や営業時間を伝える「デジタル看板」をつくることではありませんでした。 恵比寿ガーデンプレイス近くに佇むルーモアズという実店舗が持つ「花のある上質なライフスタイル」の提案力を、まだ表現に制約の多かったブラウザ上でいかにエモーショナルに感じ取ってもらえるか。 1995年という最初期の段階において、グラフィック要素と情報設計(インフォメーションアーキテクチャ)の可能性を限界まで追求し、デジタル領域における先進的な店舗ブランディングの礎を築きました。

コーポレートカラーのオレンジがもたらす独自性とエモーショナルな視覚戦略

1995年当時のインターネット環境はナローバンド(ダイヤルアップ接続)が主流であり、大容量の画像データを表示させることはユーザーへの強い認知負荷とストレス(離脱原因)に直結していました。 そのため、限られたデータ容量の中で「花屋としての瑞々しさと洗練」を伝えるための厳格な情報整理と、一瞬で記憶に残りブランドを印象付けるカラーインテグレーションが必要不可欠でした。 そこで、画面全体の背景色には、ルーモアズのコーポレートカラーである鮮やかな「オレンジ」を大胆に採用しました。 これは、当時のWEBサイトに多かったグレーや白の背景とは一線を画す強烈なアイデンティティを確立するためです。 温かみと生命力を象徴するオレンジの背景は、主役である生花やグリーンが持つ自然の色彩と美しく調和し、画面全体にポジティブな高揚感と洗練されたモダンな空気感をもたらします。 フォントには端正な印象を与えるスタイルを効果的に配し、文字自体の美しさをグラフィック要素として機能させることで、無駄な装飾を削ぎ落としながらもチープさを感じさせない、格式高いUIデザインを実現しました。

直感的なインタラクションとカスタマーエクスペリエンス(CX)の設計

インターフェースの構造は、ユーザーが直感的に店舗のコンセプトやサービスを深く理解できるよう、極めて明快なワンカラム(単一階層を意識したレイアウト)で構築されています。 トップページから各コンテンツへの導線には、アイコニックな花のグラフィックをナビゲーションスイッチとして配置。 テキストリンクだけでなく視覚的なトリガーを用意することで、クリックの先にある体験への期待感を高めるインタラクション設計を施しました。 また、単なる美的な表現に留まらず、「生花業」というビジネスの本質に根ざしたコンテンツ設計を行っています。 季節ごとのアレンジメント提案や、ウェディング・空間装飾のギャラリーなど、実店舗に足を運ぶ前のユーザー(見込み顧客)に対して「ルーモアズに依頼することで得られる豊かな時間」を擬似体験できる仕組みを用意。 技術的な制約が極めて大きかった時代だからこそ、小手先のテクニックに頼らず、「人間が視覚情報をどのように知覚し、ブランドに信頼感を抱くか」というUI/UXの原点に誠実向き合った動線設計を完成させました。

「Rumours website 1995」におけるUI/UX・デザインのコア・バリュー

本コンセプトデザインの構築において、MARZ DESIGNが特に重視した専門的アプローチは以下の通りです。
  • コーポレートカラーを基調とした視覚表現:ブランドの象徴であるオレンジを背景に配し、生花の写真を引き立てながら強固なブランド認知を確立。
  • ナローバンドに最適化されたハイブリッドUI:データ容量を極限まで抑えながらも、文字のジャンプ率や余白(ホワイトスペース)の計算により、洗練された高級感を演出。
  • 時代を先駆けたデジタル・アイデンティティの構築:1995年という最初期において、実店舗の空気感やデザイナーとしてのこだわりを完全にWeb上で再現し、ブランド価値を担保。

デジタル・ブランディングの原点として

「Rumours website 1995」の構築は、WebフロントエンドデザインやUI/UXという言葉すら一般化していなかった時代に、「画面を通じて店舗の哲学を伝える」という本質的なデジタル・ブランディングを具現化したエポックメイキングなプロジェクトです。 この時代に培った、限られたリソースの中で表現を最大化し、ユーザーの心理に深くアプローチする思考の根拠(なぜ)は、現在のモダンなWebデザインや高度な体験設計にも脈々と受け継がれています。 MARZ DESIGNでは、表面的なトレンドを追いかけるだけでなく、クライアントが持つ独自のアイデンティティを論理的かつエモーショナルに視覚化する「根拠のあるデザイン」を一貫して提供しています。 老舗ブランドのリブランディングから、独自のコンセプトを持つ店舗のWebサイト構築まで、ビジネスの魅力を最大限に高める体験設計に貢献いたします。
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