「本物」の精神を形にする——技術集団のアイデンティティを再定義するコーポレート・ブローシャー設計
神奈川県相模原市を拠点に、板金加工の自動化ソリューションを提供するオーセンテック株式会社様の会社案内(ブローシャー)を制作いたしました。
本プロジェクトでは、同社の社名の由来である「Authentic(本物・信頼)」と「Technology(技術)」という二つの要素を、いかにして視覚的な信頼感へと昇華させるかが最大のテーマとなりました。
オーセンテック様は、アンリツ製タレットパンチプレス(TPP)のメンテナンスからスタートした、現場主義の技術者集団です。
その歴史と、独自開発のバリ取り機「AuDeBu(オーデブ)」シリーズによる未来への展望を一気通貫で伝えるため、単なる情報整理にとどまらない、ブランドストーリーの構築を目指しました。
デザインの意図:現場主義と先進性のコントラスト
デザインの骨子として、同社のブランドカラーであるブルーとグリーンを大胆な斜めのラインで分割する「ダイナミック・スプリット」レイアウトを採用しました。
これは、長年培われたメンテナンス技術(伝統)と、自動化・ロボット技術による革新(未来)が交差するポイントを象徴しています。
表紙から中面にかけて、実際に稼働している工場の外観や、代表取締役のポートレートを印象的に配置することで、「誰が、どのような想いで技術を提供しているのか」という属人的な信頼感を強調しています。
製造業のカタログにありがちな無機質なトーンを避け、温度感のあるビジュアルコミュニケーションを設計することで、競合他社との差別化を図りました。
ブランドの信頼性を高めるための設計ポイント
- 歴史の可視化(クロニクル・ライン):2001年の創業から現在に至るまでの歩みを、製品開発の歴史とともにタイムライン形式で整理。メンテナンス事業からメーカーへと進化した軌跡を、一目で把握できるインフォグラフィックとしてデザインしました。
- ネーミングの文脈化:「AuDeBu」や「Authentec」といった独自の固有名詞に対し、その由来(Authentic Deburring Machine等)を丁寧に解説するセクションを設け、技術に対する真摯な姿勢を論理的に裏付けています。
- 情報の階層化とユーザビリティ:多岐にわたる事業内容(企画・開発・販売からメンテナンス、アフターフォローまで)を、機能的なアイコンとグリッドシステムを用いて整理。顧客が求める情報へスムーズにアクセスできる「読みやすさ」を追求しました。
- 現場主義の具現化:「表層的な意匠ではなく、現場に負担の少ない『壊れにくい機械』を追求する」という同社のデザイン思考を、あえて余白を活かしたクリーンな紙面構成で表現し、機能美としての美しさを提示しています。
技術者のプライドを語るメディアとして
会社案内は、営業ツールであると同時に、そこで働く社員や協力会社にとっても自社の誇りを確認するための重要なメディアです。
今回のデザインでは、オーセンテック様が守り続けてきた「お客様の大切な機械を最後まで面倒をみる」という誠実さを、プロフェッショナルなグラフィックの力で可視化しました。
単なる機械メーカーとしての紹介を超え、製造現場の課題を解決し、日本のものづくりを支える「パートナー」としてのプレゼンスを確立するためのデザインを提供できたと考えています。
今後もUI/UXの視点を取り入れた、論理的かつエモーショナルなブランディングを展開してまいります。